山梨県で人事1人・専任なしの新卒採用をどう回すか
応募が来ないという相談の大半は、露出の量ではなく対象の設定に原因がある。誰に向けた募集なのかが決まっていないと、どれだけ露出を増やしても素通りされる。
足すのではなく捨てる
採用に割ける時間が月に数時間しかないなら、施策を増やすほど成果は落ちる。すべてが中途半端になり、どれも結果が出ないまま年度が終わる。
判断の基準は単純で、昨年それで何人採れたかを見ればよい。ゼロだった手法は、今年も同じ結果になる可能性が高い。
時間を先に確保する
空いた時間にやろうとすると、採用は必ず後回しになる。週のどこかに時間を固定して、そこだけは動かさない運用にしたほうが続く。
面接官の予定も同じで、毎週この曜日のこの時間は面接に使うと先に押さえておく。応募が来てから調整すると、必ず選考が遅くなる。
ここで挙げたやり方が合わない会社もある。人員体制と採用人数によって現実的な打ち手は変わるので、そのまま当てはめずに翻訳して読んでいただきたい。
判断だけを残して、手は外に出す
一人で回す場合、すべてを自分でやる必要はない。誰を採るかという判断は社内に残し、手を動かす部分は外に出すという切り分けができる。
当社が提供しているOfferBox運用代行は、ターゲットの設計から文面作成、送信、日程調整までを代行する。完全成果報酬型なので、入社の承諾に至るまで費用は発生しない。山梨県のように採用人数が読みにくい会社でも、固定費を増やさずに手法を一つ増やせる。
記録だけは自分でやる
唯一手放せないのが記録である。やったことと結果が残っていなければ、翌年は同じ検討を最初から繰り返すことになる。
形式は表計算ソフト一枚で足りる。手法、接触した人数、応募、面接、内定、承諾。これだけ残せば、翌年の判断材料としては十分である。
一人で回すための決めごと
体制を整えるなら、この5点から決めたい。
- 週に確保する採用の作業時間(曜日と時間帯)
- 今年やらない手法(昨年成果がなかったもの)
- 面接に使う固定の時間枠
- 外部に出す作業と、社内に残す判断の線引き
- 記録を残す場所と、更新する頻度
山梨県の採用を考えるときの基礎データ
山梨県の主な産業は電子部品、機械、果樹農業、観光である。企業の集積は甲府市と富士吉田に偏りやすく、甲斐に拠点を置く会社ほど、通勤と住まいの条件を先に示さないと比較の土俵に乗りにくい。
県内の主な高等教育機関としては山梨大学、山梨県立大学が挙げられる。学校経由の接点はここが起点になるが、それだけでは県外に進学した山梨出身の学生には届かない。両者は別の対象として設計したい。
甲信越・北陸という括りで見ると、山梨の企業が比較される相手は三つに分かれる。甲信越・北陸の同業、甲府市に拠点を持つ企業、そして学生が進学先で接している都市部の企業である。どれと比べられているかで、出すべき条件が変わる。
よくある誤解
「山梨県には学生がいない」という言い方をよく聞くが、正確ではない。県内の在学者だけを数えるとそう見えるだけで、進学で県外に出た山梨出身の学生まで含めれば対象は決して少なくない。足りていないのは学生の数ではなく、その層に届く手段のほうである。
「学生は都会に出たがる」と決めつけるのも危うい。山梨県での勤務を希望している学生は実際に存在するが、その層は地元の説明会にも求人媒体にも接していないことが多い。見つけられないことと、いないことは別である。
「採用は人事の仕事」という切り分けも、中小企業では機能しにくい。配属先の上長が何を任せたいかを言語化していないと、求める人物像も決まらず、面接での判断もぶれる。
自社に当てはめて考える
実行に移す前に、いまの状態を書き出しておきたい。書き出してみると、思っていたより決まっていないことが見つかる。
- 山梨県のどの生活圏の学生を対象にするかが決まっているかどうか
- 募集要項に勤務地が市区町村まで書かれているかどうか
- 接点の経路ごとに昨年の実績人数を出せるかどうか
- 応募から一次面接までの日数が決まっているかどうか
一度埋めたら終わりではない。翌年の採用が始まる前にもう一度見直すと、前提が変わっている箇所が見つかる。
よくある質問
Q. オンラインでの選考だけで内定を出してもよいのでしょうか。
対面の機会をどこかに一度は入れたほうが、入社後のずれは減ります。ただし山梨県の企業が県外の学生を対象にする場合、最初から対面を求めると接点そのものが作れません。序盤はオンラインで完結させ、終盤で一度来てもらう(交通費の扱いを先に明示する)という順番が現実的です。
Q. 地元の学生に絞ったほうがいいですか。
絞るかどうかではなく、両方を別の対象として扱うのが現実的です。山梨県在住の学生には学校経由や地域のイベントが効き、県外に出た出身者にはこちらから個別に声をかける手段が要ります。同じ手法で両方を追うと、どちらも取りこぼします。
Q. 採用にかけられる予算がほとんどありません。
予算をかけずにできることを先に済ませたいところです。募集要項に勤務地と仕事内容を具体的に書く、応募から面接までの日数を短くする、辞退理由を記録する。この3つはどれも費用がかかりません。
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この記事のまとめ
うまくいっている会社が特別なことをしているとは限らない。当たり前のことを、学生から見て分かる形で言語化できているかどうかの差であることが多い。
この記事は、株式会社エージェントベストが新卒採用の支援で得た知見をもとに構成した実務向けの解説です。特定の企業の事例や、年によって変動する統計値は扱っていません。制度・市況・各サービスの仕様は変わりますので、実際の判断にあたっては一次情報をご確認ください。
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