高卒採用|人手が足りない会社の設計
新卒採用は育成前提の投資である。いま欠けている人手を埋める発想のままだと、求める人物像も、伝えるべき将来像も決まらない。
足すのではなく捨てる
採用に割ける時間が月に数時間なら、高卒採用のためにやることを増やすほど全体の成果は落ちる。やらないことを決めるほうが先である。
高卒採用は学校を通した独自のルールで動く。大卒採用と同じ感覚で進めると、そもそも土俵に上がれない。
時間を先に固定する
余裕ができたらやる、という進め方では一年が過ぎる。曜日と時刻を決めて予定に入れてしまうほうが確実である。
規模は時間に合わせる。順番を逆にして、やることに時間を合わせようとすると必ず無理が出る。
同じ打ち手でも、業種と地域が変われば効き方が変わる。うまくいかなかったときに手法のせいにする前に、前提が自社と合っていたかを見直したい。
仕組みにして属人性を減らす
一人で回す場合、その人が動けなくなると全部止まる。手順を書き出して、誰がやっても同じ水準になる状態にしておきたい。
高校生にも分かる言葉で仕事を説明できているかどうかという部分だけでも手順化しておくと、繁忙期に止まりにくくなる。
判断だけ残して手は外に出す
すべてを自分でやる必要はない。誰を採るかという判断は社内に残し、手を動かす部分は外に出すという切り分けができる。
当社が提供しているOfferBox運用代行は、ターゲット設計から文面作成、送信、日程調整までを代行する。完全成果報酬型なので、入社の承諾に至るまで費用は発生しない。
高卒採用を自社の言葉にする
高卒採用は学校を通した独自のルールで動く。大卒採用と同じ感覚で進めると、そもそも土俵に上がれない。
自社の話に落とすときは、学校を通した採用の手続きと時期を把握している、求人票の提出時期に間に合う体制がある、この二つから確認するのが早い。ここが曖昧なままだと、どの手法を選んでも判断の基準が作れない。
あわせて、高校生にも分かる言葉で仕事を説明できているも見ておきたい。ここは後回しにされやすいが、翌年に同じ議論を繰り返すかどうかの分かれ目になる。
よくある誤解
「高卒採用は専門的な話だから、詳しい人がいないと手を出せない」と考える必要はない。多くの場合、足りていないのは知識ではなく、決めるべきことを決めていないという一点である。
「成果が出るまで続けるべき」という考え方も、無条件には正しくない。合わないものを続けるより、合わないと分かった段階で早く手を引くほうが、結果的に採用人数は増える。
「学生の質が下がった」という言い方も、原因の特定を止めてしまう。母集団の質は、対象の設定と伝える内容で決まる。集まる層が変わったなら、変えたのは自社の側である可能性が高い。
自社に当てはめて考える
実行に移す前に、いまの状態を書き出しておきたい。書き出してみると、思っていたより決まっていないことが見つかる。
- 学校を通した採用の手続きと時期を把握しているかどうか
- 求人票の提出時期に間に合う体制があるかどうか
- 高校生にも分かる言葉で仕事を説明できているかどうか
- 入社後の育成計画が大卒とは別に用意されているかどうか
一つ選んだら、次の採用シーズンが始まる前に片づけておきたい。始まってからでは、日々の対応に追われて手をつけられなくなる。
よくある質問
Q. 成果が出ているかどうかの判断がつきません。
短期で成果を測るのは難しいので、まずは実行量を見ます。決めた量を実行できているかどうかは、その週のうちに判断できます。成果は年度をまたいで効いてくるものが多く、数週間で見切ると効いているものを途中でやめてしまいます。
Q. 社内に前例がなく、判断がつきません。
前例がないこと自体は障害になりません。決めるべきことを書き出して、仮でよいので置いてしまうほうが前に進みます。置いた前提が違っていたら、次の年に直せば足ります。
Q. 複数の課題が同時にあります。どれからやるべきですか。
採用の流れの上流にあるものからです。母集団が足りていない状態で選考の設計を磨いても、効果は限定的になります。逆に、上流が足りているのに終盤で落ちているなら、選考側から手をつけます。
あわせて読みたい
- ターゲット設計・ペルソナ|欲しい人物像が社内で揃っていないと、面接官ごとに評価がぶれて内定が出ない。
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- 人口減少と採用|母集団が構造的に減る前提で、採用以外の手段も含めて人員計画を考える必要がある。
この記事のまとめ
今年の採用で分かったことを、来年の担当者が読める形にして残す。これをやっている会社とやっていない会社の差は、3年も経てば埋めがたいものになる。
この記事は、株式会社エージェントベストが新卒採用の支援で得た知見をもとに構成した実務向けの解説です。特定の企業の事例や、年によって変動する統計値は扱っていません。制度・市況・各サービスの仕様は変わりますので、実際の判断にあたっては一次情報をご確認ください。
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