外国人材の採用|中小企業は絞って深くやる
学生は会社を知らないのではなく、そもそも選択肢として認識していない。認識されていない状態から始める以上、こちらから名指しで声をかける手段が要る。
手を広げるほど成果が落ちる
採用に割ける時間が月に数時間しかない会社では、外国人材の採用のためにやることを増やすほど、どれも中途半端になる。
やらないことを決めるほうが先である。昨年やって成果がなかったものは、今年も同じ結果になる可能性が高い。
中小企業が有利な部分もある
規模が小さいことは不利ばかりではない。決めたことがすぐ実行に移せる、現場と人事の距離が近い、経営者が直接判断できる。これらは大手が持てない条件である。
在留資格と職務内容の対応を先に確認しないと、内定後に進められなくなる。受け入れ体制の整備は採用活動と同時に進める必要がある。
ただし、これは一般的な傾向であって、自社の業種・地域・過去の採用実績によって最適解は変わる。数字を持っている会社は、必ず自社の実績を優先して判断してほしい。
現実的な進め方
外国人材の採用に取り組むなら、完成形を目指さずに最小限の形で始めて、動かしながら直すほうが早い。準備に時間をかけるほど、着手が遅れる。
具体的には、受け入れ体制(住居・生活支援)の担当が決まっているかどうかというところから始めると、費用をかけずに着手できる。
外に出せる部分を見極める
全部を抱える必要はない。採否の判断だけ社内に置き、作業は任せるという分け方なら、人手が足りなくても回る。
当社はOfferBoxの運用代行を完全成果報酬型で提供している。入社の承諾に至るまで費用は発生しないため、固定費を増やさずに手法を一つ増やせる。
外国人材の採用を自社の言葉にする
在留資格と職務内容の対応を先に確認しないと、内定後に進められなくなる。受け入れ体制の整備は採用活動と同時に進める必要がある。
自社の話に落とすときは、職務内容と在留資格の対応を確認している、受け入れ体制(住居・生活支援)の担当が決まっている、この二つから確認するのが早い。ここが曖昧なままだと、どの手法を選んでも判断の基準が作れない。
あわせて、日本語能力の要件を業務から逆算して決めているも見ておきたい。ここは後回しにされやすいが、翌年に同じ議論を繰り返すかどうかの分かれ目になる。
よくある誤解
「うまくいかなかったのは手法が悪かったから」と結論づけると、次も同じところでつまずく。設計が間違っていたのか、設計は正しいが実行できていなかったのか、実行する人手がなかったのか。この3つは切り分けて考えたい。
「数字で管理するのは大企業の話」というのも誤解である。記録するのは複雑な指標ではなく、手法ごとに何人採れたかという単純な数字でよい。これがないと、翌年また同じところから考え直すことになる。
「外国人材の採用は人事の仕事」という切り分けも、中小企業では機能しにくい。配属先の上長が何を任せたいかを言語化していないと、判断の基準が作れない。
自社に当てはめて考える
記事の内容をそのまま持ち込む必要はない。自社の条件に照らして、次の項目のうちどれが欠けているかを確認するところから始めたい。
- 職務内容と在留資格の対応を確認しているかどうか
- 受け入れ体制(住居・生活支援)の担当が決まっているかどうか
- 日本語能力の要件を業務から逆算して決めているかどうか
- 入社後の教育を日本人社員と分けて設計しているかどうか
項目を埋めた結果は記録に残しておく。翌年の担当者が同じところから考え直さずに済むのは、この記録があるかどうかで決まる。
よくある質問
Q. 成果が出ているかどうかの判断がつきません。
短期で成果を測るのは難しいので、まずは実行量を見ます。決めた量を実行できているかどうかは、その週のうちに判断できます。成果は年度をまたいで効いてくるものが多く、数週間で見切ると効いているものを途中でやめてしまいます。
Q. 小さく始めるとして、どこまで小さくていいですか。
1週間で終わる規模まで落として構いません。やってみて分かることのほうが多く、準備に時間をかけるほど着手が遅れます。小さく始めて、続けられる量を確かめてから広げるのが安全です。
Q. 経営層に何を報告すればいいですか。
人数の進捗だけでなく、どの段階で学生が離れているかを示すと判断が速くなります。数字が揃っていないうちは、辞退理由をそのまま並べるだけでも十分に材料になります。
あわせて読みたい
- 内定辞退の防止|辞退は内定を出した後に始まるのではなく、選考の途中で決まっている。
- 合同説明会・就職イベント|ブースに座って待つだけでは、知名度のある企業に人が流れる。
- 早期離職・定着|早期離職は配属後の問題ではなく、採用時に伝えた情報の問題であることが多い。
- 応募者管理と選考の可視化|高機能なツールを入れる前に、いま誰がどの段階にいるかを一枚で見られる状態を作るほうが先。
- 高専・工業高校からの採用|技術系の人材を確保する上で、地方企業にとって最も現実的なルートのひとつ。
- 採用に使える補助金・助成金|制度は要件が細かく、申請の工数もかかる。
この記事のまとめ
採用の設計は、一度作ったら終わりではない。毎年の結果を見て、どこを変えてどこを変えないかを決める作業そのものが設計である。
この記事は、株式会社エージェントベストが新卒採用の支援で得た知見をもとに構成した実務向けの解説です。特定の企業の事例や、年によって変動する統計値は扱っていません。制度・市況・各サービスの仕様は変わりますので、実際の判断にあたっては一次情報をご確認ください。
株式会社エージェントベスト/有料職業紹介事業 許可番号 13-ユ-316964