内定者フォロー|よくある失敗と、手を打つ前の確認
同じ募集要項を数年使い続けている会社は少なくない。市場も学生の関心も動いているのに、伝える内容だけが止まっていれば、反応が落ちるのは当然である。
目的が決まらないまま始める
内定者フォローに手をつけること自体が目的になっているケースは多い。他社がやっているから、という理由で始めると、成果の判断基準がないまま工数だけが増える。
内定から入社までの期間は、学生がいちばん不安になる時期。放置すれば他社に流れるが、やりすぎると重く感じられる。
手を広げすぎる
複数の施策を同時に始めると、どれも中途半端になり、何が効いたのかも分からなくなる。一度に一つずつ変えるほうが、結果的に早い。
判断の基準はシンプルで、担当者が確保できる時間で回るかどうかである。回らない量は、必ず途中で止まる。
なお、他社がやっているという理由だけで手法を増やすのは避けたい。工数が分散し、どれも中途半端になるほうが採用にとっては痛手になる。
記録を残さない
一年かけて取り組んでも、記録がなければ翌年に引き継げない。担当者が代わった瞬間にゼロに戻るのは、このためである。
内定から入社までの接触の頻度が決まっているかどうかという点だけでも記録しておくと、翌年の判断材料になる。形式は表計算ソフト一枚で足りる。
確認しておきたいこと
始める前、あるいは見直すときに、次の点を確認したい。
- 内定から入社までの接触の頻度が決まっているかどうか
- 接触の担当者が決まっているかどうか
- 内定者同士が話す機会があるかどうか
- 重すぎる負担になっていないかを確認できているかどうか
内定者フォローを自社の言葉にする
内定から入社までの期間は、学生がいちばん不安になる時期。放置すれば他社に流れるが、やりすぎると重く感じられる。
自社の話に落とすときは、内定から入社までの接触の頻度が決まっている、接触の担当者が決まっている、この二つから確認するのが早い。ここが曖昧なままだと、どの手法を選んでも判断の基準が作れない。
あわせて、内定者同士が話す機会があるも見ておきたい。ここは後回しにされやすいが、翌年に同じ議論を繰り返すかどうかの分かれ目になる。
よくある誤解
「内定者フォローは専門的な話だから、詳しい人がいないと手を出せない」と考える必要はない。多くの場合、足りていないのは知識ではなく、決めるべきことを決めていないという一点である。
「うまくいかなかったのは手法が悪かったから」と結論づけると、次も同じところでつまずく。設計が間違っていたのか、設計は正しいが実行できていなかったのか、実行する人手がなかったのか。この3つは切り分けて考えたい。
「前任者のやり方を踏襲する」のは安全に見えて、実は理由が分からないまま続けることになる。なぜその手法を選んだのかを確認できないなら、いったん前提を置き直したほうがよい。
自社に当てはめて考える
読んだ内容を実際に動かすには、自社の現状を確認しておく必要がある。次の項目に答えられるかどうかを見てほしい。
- 内定から入社までの接触の頻度が決まっているかどうか
- 接触の担当者が決まっているかどうか
- 内定者同士が話す機会があるかどうか
- 重すぎる負担になっていないかを確認できているかどうか
確認した内容は、配属先の上長にも共有しておきたい。採用担当だけが把握している状態だと、判断が必要になったときに止まる。
よくある質問
Q. 小さく始めるとして、どこまで小さくていいですか。
1週間で終わる規模まで落として構いません。やってみて分かることのほうが多く、準備に時間をかけるほど着手が遅れます。小さく始めて、続けられる量を確かめてから広げるのが安全です。
Q. 経営層に何を報告すればいいですか。
人数の進捗だけでなく、どの段階で学生が離れているかを示すと判断が速くなります。数字が揃っていないうちは、辞退理由をそのまま並べるだけでも十分に材料になります。
Q. 複数の課題が同時にあります。どれからやるべきですか。
採用の流れの上流にあるものからです。母集団が足りていない状態で選考の設計を磨いても、効果は限定的になります。逆に、上流が足りているのに終盤で落ちているなら、選考側から手をつけます。
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この記事のまとめ
採用の巧拙は、特別な施策ではなく前提の置き方で決まる。前提を書き出して社内で見せ合うだけでも、噛み合っていない部分が見えてくる。
この記事は、株式会社エージェントベストが新卒採用の支援で得た知見をもとに構成した実務向けの解説です。特定の企業の事例や、年によって変動する統計値は扱っていません。制度・市況・各サービスの仕様は変わりますので、実際の判断にあたっては一次情報をご確認ください。
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