教育・保育が求める人物像をどう決めるか|面接で評価がぶれないために
学生は会社を知らないのではなく、そもそも選択肢として認識していない。認識されていない状態から始める以上、こちらから名指しで声をかける手段が要る。
理想像から作るとぶれる
教育・保育の企業でよくあるのは、人物像が職種と切り離されて決まっているケースである。教育企画と保育士では必要な資質が違うのに、同じ基準で面接すると評価が混乱する。
教育・保育で成果を出している社員が、入社時にどんな人だったか。そこから遡るほうが、会議で理想像を出し合うより確実に像が揃う。
行動で書く
人物像は、性格ではなく行動で書くと面接で使える。「積極的」ではなく「分からないことを、その場で質問できる」と書けば、面接で確認する方法まで決まる。
項目は4つまでに絞る。増やすほど面接官は全体の印象で埋めるようになり、結局は好き嫌いで決まってしまう。
なお、制度やサービスの仕様は変わる。この記事の内容は考え方の部分を中心にしているが、具体的な手続きは必ず一次情報で確認してほしい。
外していい条件を決める
求める条件より、求めない条件を決めるほうが効く。学部や資格を要件から外した瞬間に、対象が倍になることは珍しくない。
志望度の高い学生が集まりやすい一方、待遇面で他業種と比較された瞬間に離れる。処遇改善の取り組みを具体的に言えるかが分かれ目になる。
社内で像を揃える
共有の仕方にはこつがある。定義文を配っても解釈は割れるが、社内の誰かを名指しすれば、全員が同じ人を思い浮かべられる。
評価が分かれたら、面接官の目ではなく定義の曖昧さを疑う。割れた理由をその場で言語化して、人物像の文言に反映させたい。
教育・保育で募集する職種を分けて考える
教育・保育が新卒で募集する職種は、教育企画、保育士、事務、営業などに分かれる。同じ会社の募集でも、職種が違えば競合も、学生が比較する軸も変わる。
たとえば教育企画と営業では、学生が見ている条件も、入社後に求められる資質も異なる。ひとつの募集要項にまとめると、どちらの層にも届かない文章になりやすい。
志望度の高い学生が集まりやすい一方、待遇面で他業種と比較された瞬間に離れる。処遇改善の取り組みを具体的に言えるかが分かれ目になる。
よくある誤解
「現場は忙しいから採用に関わらせられない」という判断も、結果的に高くつく。現場の社員が面接に出るかどうかで、説明の説得力はまったく違う。人事が言うと採用トークに聞こえることも、現場が言えば事実として伝わる。
「教育・保育の仕事は入ってみないと分からない」という説明は、聞く側からすると判断を放棄されたように映る。一日の流れと、最初の1年で任せる範囲だけでも書いておきたい。
「求人票は法務的に問題がなければよい」という扱いをしている会社は多い。読んで応募するかどうかを決める文書なので、条件の羅列で終わらせると比較の土俵に乗らない。
自社に当てはめて考える
読んだ内容を実際に動かすには、自社の現状を確認しておく必要がある。次の項目に答えられるかどうかを見てほしい。
- 教育・保育で募集する職種ごとに、募集要項が分かれているかどうか
- 入社1年目と3年目に任せる範囲が書かれているかどうか
- 勤務地と通勤手段が具体的に書かれているかどうか
- 選考の流れと所要日数を学生に先に伝えているかどうか
一度埋めたら終わりではない。翌年の採用が始まる前にもう一度見直すと、前提が変わっている箇所が見つかる。
よくある質問
Q. 同業他社と条件で横並びになってしまいます。
条件で並ぶなら、任される範囲で差をつけるしかありません。入社1年目に何を任せるか、3年目に何を任せるかを具体的に書けると、同じ条件でも見え方が変わります。規模が小さいほど、この部分は書きやすいはずです。
Q. 技術職と事務職で、採用の進め方は変えるべきですか。
変えたほうがよいです。教育企画と保育士では、学生が比較する相手も、判断の軸も違います。募集要項・接点の作り方・面接で見る項目を、職種ごとに分けて設計したいところです。
Q. 配属先を約束してもよいのでしょうか。
約束できるなら、それは強い訴求になります。約束できないなら「どう決まるか」を説明するだけでも不安はかなり減ります。曖昧にしたまま進めると、終盤で辞退の理由になります。
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- 金融(地銀・信金・保険)|地域経済の担い手という立ち位置は学生に伝わりやすいが、業務の変化が伝わっていない。
- 不動産・住宅|営業のイメージだけで敬遠されやすい。
- 化学・素材|装置産業のため勤務地が限られ、通勤・住まいの条件が志望度を大きく左右する。
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この記事のまとめ
採用は担当者の努力だけで決まる仕事ではない。経営の意思決定と現場の協力が要る以上、社内で共有できる形に書き出しておくことが先決になる。
この記事は、株式会社エージェントベストが新卒採用の支援で得た知見をもとに構成した実務向けの解説です。特定の企業の事例や、年によって変動する統計値は扱っていません。制度・市況・各サービスの仕様は変わりますので、実際の判断にあたっては一次情報をご確認ください。
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