スカウト採用の立ち上げ|数字の見方と改善の順番
学生が知りたいのは会社の実績ではなく、自分がそこで何をするかである。この一点に答えていない情報は、どれだけ量があっても判断材料にならない。
送信数だけを追わない
本数を目標に置くと、一通あたりにかける時間が削られる。数を増やしたのに反応が減る、という逆転が起きやすい。
最初から完成形を目指さず、少数に送って反応を見ながら文面と条件を直すほうが早い。
段階に分けて見る
開封・返信・面談・選考進出を分けて見ると、どこが詰まっているかが分かる。開封されないなら件名、開封されて返信がないなら本文、返信があって面談に至らないなら日程調整の手間を疑う。
全体の数字だけを見ていると、原因が特定できないまま文面を全部書き換えることになる。何が効いたのかも分からなくなる。
ただし、これは一般的な傾向であって、自社の業種・地域・過去の採用実績によって最適解は変わる。数字を持っている会社は、必ず自社の実績を優先して判断してほしい。
記録する項目
項目は絞るほど続く。増やした分だけ記入が止まるので、判断に直接使うものだけにしたい。
- 最初に送る対象を少数に絞れているかどうか
- 文面の骨格が3ブロックで組まれているかどうか
- 反応を見て直す周期を決めているかどうか
- 最初から完成形を目指していないかどうか
直す順番
一度に複数を変えると、何が効いたか分からなくなる。件名、冒頭の個別化、仕事内容の具体性、次の行動の軽さ、の順に一つずつ直したい。
最初に送る対象を少数に絞れているかどうかという点も、数字と合わせて見ておくと判断がしやすくなる。
スカウト採用の立ち上げを自社の言葉にする
最初から完成形を目指さず、少数に送って反応を見ながら文面と条件を直すほうが早い。
自社の話に落とすときは、最初に送る対象を少数に絞れている、文面の骨格が3ブロックで組まれている、この二つから確認するのが早い。ここが曖昧なままだと、どの手法を選んでも判断の基準が作れない。
あわせて、反応を見て直す周期を決めているも見ておきたい。ここは後回しにされやすいが、翌年に同じ議論を繰り返すかどうかの分かれ目になる。
よくある誤解
「文面が良ければ返信は来る」というのも一面的である。開封されていないなら件名の問題で、本文をどれだけ磨いても届かない。どの段階で落ちているかを分けて見たい。
「代行に任せれば丸ごと解決する」というのは誤解である。誰を採るか、どの条件で絞るか、何を伝えるか。この判断が自社で決まっていないと、誰が手を動かしても成果は出ない。
「新卒のスカウトは大手がやるもの」という思い込みもある。むしろ知名度で劣る会社ほど、こちらから名指しで声をかける手段の価値は大きい。
自社に当てはめて考える
実行に移す前に、いまの状態を書き出しておきたい。書き出してみると、思っていたより決まっていないことが見つかる。
- 最初に送る対象を少数に絞れているかどうか
- 文面の骨格が3ブロックで組まれているかどうか
- 反応を見て直す周期を決めているかどうか
- 最初から完成形を目指していないかどうか
一つ選んだら、次の採用シーズンが始まる前に片づけておきたい。始まってからでは、日々の対応に追われて手をつけられなくなる。
よくある質問
Q. 勤務地が地方であることは、いつ伝えるべきですか。
最初の文面で伝えます。伏せたまま面談まで進めても、そこで辞退されるだけです。先に出せば対象は絞られますが、残った学生の歩留まりは上がります。
Q. いつから送り始めればいいですか。
学生が動く時期から逆算して決めます。早い時期は返信率が読みにくく、遅い時期は他社と重なります。どちらにしても、送り始めてから型が固まるまでに1〜2か月はかかる前提で計画したいところです。
Q. 文面は誰が書くべきですか。
最初は採用の判断をする人が書いたほうが早く型が固まります。何を伝えれば来てくれるかが分かってから、他の人や外部に渡すと、精度を落とさずに量を増やせます。
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この記事のまとめ
採用の巧拙は、特別な施策ではなく前提の置き方で決まる。前提を書き出して社内で見せ合うだけでも、噛み合っていない部分が見えてくる。
この記事は、株式会社エージェントベストが新卒採用の支援で得た知見をもとに構成した実務向けの解説です。特定の企業の事例や、年によって変動する統計値は扱っていません。制度・市況・各サービスの仕様は変わりますので、実際の判断にあたっては一次情報をご確認ください。
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