建設・土木の面接設計|何を見て、何を伝えるか
学生は会社を知らないのではなく、そもそも選択肢として認識していない。認識されていない状態から始める以上、こちらから名指しで声をかける手段が要る。
各段階で何を判断するかを決める
選考の回数そのものより、各段階で何を判断するかが決まっているかのほうが重要である。決まっていないと、同じ質問を繰り返すだけの面接になる。
建設・土木であれば、一次で仕事への適性と勤務条件の確認、二次で職種ごとの資質、最終で意思の確認、という分け方が組みやすい。
評価がぶれる原因
評価がぶれるのは面接官の問題ではない。基準が言葉になっていないだけで、社内の誰かを基準に置けば像は揃う。
評価項目は4つまでに絞る。増やすほど、面接官は全体の印象で埋めるようになる。
なお、他社がやっているという理由だけで手法を増やすのは避けたい。工数が分散し、どれも中途半端になるほうが採用にとっては痛手になる。
面接で伝えるべきこと
資格取得の支援と、休日・残業の実態をどこまで正直に書けるかが応募の分かれ目になる。現場配属の範囲と転勤の有無を曖昧にしたまま進めると、入社後の早期離職に直結する。
面接の時間を使って伝えるべきは、施工管理として入社したあとの一日である。誰と働き、何を任され、どこまでやるのか。そこが見えると志望度が上がる。
現場の社員を出す
施工管理や設計として実際に働いている社員が面接に出ると、説明の説得力が変わる。人事が言うと採用トークに聞こえることも、現場が言えば事実として伝わる。
面接官になる社員には、評価の基準と、伝えるべきことの両方を事前に共有しておきたい。準備なしで出すと、雑談で終わる。
建設・土木で募集する職種を分けて考える
建設・土木が新卒で募集する職種は、施工管理、設計、積算、設備施工管理などに分かれる。同じ会社の募集でも、職種が違えば競合も、学生が比較する軸も変わる。
たとえば施工管理と設備施工管理では、学生が見ている条件も、入社後に求められる資質も異なる。ひとつの募集要項にまとめると、どちらの層にも届かない文章になりやすい。
資格取得の支援と、休日・残業の実態をどこまで正直に書けるかが応募の分かれ目になる。現場配属の範囲と転勤の有無を曖昧にしたまま進めると、入社後の早期離職に直結する。
よくある誤解
「若手が定着しないのは世代の問題」という説明は、原因の特定を止めてしまう。採用時に伝えた情報と実際の仕事にずれがなかったかを確認するほうが、次の打ち手につながる。
「仕事は入ってみないと分からない」というのは事実だが、それを理由に説明を省くと、入社後のずれがそのまま早期離職になる。施工管理・設計それぞれについて、最初の1年で任せる範囲だけでも書いておきたい。
「内定を出せば終わり」という感覚も危うい。内定から入社までの数か月は学生がいちばん不安になる時期で、放置すれば他社に流れる。
自社に当てはめて考える
読んだ内容を実際に動かすには、自社の現状を確認しておく必要がある。次の項目に答えられるかどうかを見てほしい。
- 建設・土木で募集する職種ごとに、募集要項が分かれているかどうか
- 入社1年目と3年目に任せる範囲が書かれているかどうか
- 勤務地と通勤手段が具体的に書かれているかどうか
- 選考の流れと所要日数を学生に先に伝えているかどうか
埋まっていない項目が多いときほど、全部を一度に片づけたくなる。しかし同時に動かすと、どれが効いたのか分からなくなる。一つずつ変えたい。
よくある質問
Q. 職種ごとに募集要項を分ける必要はありますか。
分けたほうが応募は増えます。施工管理・設計・積算では、学生が比較する相手も判断の軸も違います。ひとつにまとめると、どの職種の学生にも刺さらない文章になります。
Q. 現場が採用に協力してくれません。
人事だけで決めた計画は、現場の協力を得にくくなります。配属先の上長を計画づくりの段階から巻き込み、どんな人を何人受け入れるかを一緒に決めるほうが、面接への協力も得やすくなります。
Q. 配属先を約束してもよいのでしょうか。
約束できるなら、それは強い訴求になります。約束できないなら「どう決まるか」を説明するだけでも不安はかなり減ります。曖昧にしたまま進めると、終盤で辞退の理由になります。
あわせて読みたい
- 電力・ガス・インフラ|安定というキーワードだけで語ると、同じ土俵の企業と区別がつかなくなる。
- 自動車・輸送用機器|完成車メーカーを頂点とした序列で比較されやすいが、学生が本当に見ているのは自分が任される範囲。
- 公益法人・団体・自治体関連|安定を求める学生が集まりやすい一方、仕事の中身が見えにくい。
- インターンシップ|インターンは会社を知ってもらう場であると同時に、こちらが学生を見極める場でもある。
- 親の理解(オヤカク)|地方の新卒採用では、保護者の理解が結果を左右する。
- 専門学校・短大卒の採用|専門学校生は分野が明確なぶん、仕事との接続を示しやすい。
この記事のまとめ
うまくいっている会社が特別なことをしているとは限らない。当たり前のことを、学生から見て分かる形で言語化できているかどうかの差であることが多い。
この記事は、株式会社エージェントベストが新卒採用の支援で得た知見をもとに構成した実務向けの解説です。特定の企業の事例や、年によって変動する統計値は扱っていません。制度・市況・各サービスの仕様は変わりますので、実際の判断にあたっては一次情報をご確認ください。
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