大阪府の合同説明会・就職イベントを成果につなげる
採用に割ける人手が限られている会社ほど、手広くやるほど成果が落ちる。絞ったうえで深くやるという判断が、結果的にいちばん現実的な打ち手になる。
出展の成果は当日以外で決まる
合同説明会で成果が出ない会社の多くは、当日の運営に問題があるのではなく、事前と事後が空白になっている。ブースに来た学生の名前を集めるところで終わっていると、投資は回収できない。
出展を決めた時点で、事後の接触を誰がいつやるかまで決めておきたい。
ブースで何を伝えるか
数分で伝わる量はごくわずかである。何を覚えて帰ってもらうかを一つ決めて、それだけを繰り返したい。
掲示物に会社の沿革や売上を並べても、学生は比較材料として使わない。入社1年目が何をしているかを写真つきで出したほうが、立ち止まる学生は増える。
なお、他社がやっているという理由だけで手法を増やすのは避けたい。工数が分散し、どれも中途半端になるほうが採用にとっては痛手になる。
座って待たない
ブース前を通る学生に声をかけるかどうかで、話せる人数は大きく変わる。声をかける役と話す役を分けて、二人以上で入るのが望ましい。
話した学生の名前と、話した内容を一言でもメモに残す。後日の連絡で「あのとき話した件ですが」と書けるかどうかで、反応がまったく違う。
出展しないという判断もある
イベントは「知っている人が来る場所」である。知名度で劣る会社にとっては構造的に不利な場で、続けるなら事前告知に力を入れる前提が要る。
出展前に決めること
出展を決める前に、以下を確認しておきたい。
- 持ち帰ってもらう情報を一つに絞れているか
- 当日入る人数と、声かけ役の担当
- 話した学生を記録する方法
- 事後の連絡を、誰がいつ出すか
- 今年の出展を評価する基準(何人と話せたら成功か)
大阪府の採用を考えるときの基礎データ
大阪府の主な産業は化学、金属製品、機械、卸売である。企業の集積は大阪市と堺に偏りやすく、東大阪・吹田に拠点を置く会社ほど、通勤と住まいの条件を先に示さないと比較の土俵に乗りにくい。
府内の主な高等教育機関としては大阪大学、大阪公立大学、関西大学が挙げられる。学校経由の接点はここが起点になるが、それだけでは府外に進学した大阪出身の学生には届かない。両者は別の対象として設計したい。
近畿という括りで見ると、大阪の企業が比較される相手は三つに分かれる。近畿の同業、大阪市に拠点を持つ企業、そして学生が進学先で接している都市部の企業である。どれと比べられているかで、出すべき条件が変わる。
よくある誤解
「地方だから条件で負ける」というのも、半分しか当たっていない。額面では確かに都市部が上回ることが多いが、通勤時間と住居費まで含めた比較にすれば話は変わる。ただし、その計算を学生が自分ですることはない。大阪府で働いた場合の数字を、会社の側で用意する必要がある。
「採用は人事の仕事」という切り分けも、中小企業では機能しにくい。配属先の上長が何を任せたいかを言語化していないと、求める人物像も決まらず、面接での判断もぶれる。
「合同説明会に出れば知ってもらえる」という期待も、実際には裏切られやすい。ブースに座って待つ形では、知名度のある企業に人が流れる。出展するなら、事前の告知と事後の個別連絡まで含めて設計しないと投資が回収できない。
自社に当てはめて考える
読んだ内容を実際に動かすには、自社の現状を確認しておく必要がある。次の項目に答えられるかどうかを見てほしい。
- 大阪府のどの生活圏の学生を対象にするかが決まっているかどうか
- 募集要項に勤務地が市区町村まで書かれているかどうか
- 接点の経路ごとに昨年の実績人数を出せるかどうか
- 応募から一次面接までの日数が決まっているかどうか
一度埋めたら終わりではない。翌年の採用が始まる前にもう一度見直すと、前提が変わっている箇所が見つかる。
よくある質問
Q. 勤務地はどこまで具体的に書くべきですか。
市区町村までは必ず書きます。大阪・堺・東大阪のどこなのかで通勤も住まいもまったく変わるため、都道府県名だけでは学生が自分の毎日を想像できません。あわせて通勤手段(車が必要かどうか)と、複数拠点がある場合は配属の可能性がある拠点をすべて挙げておくと、終盤での辞退が減ります。
Q. 求人媒体への掲載はやめるべきですか。
やめる必要はありませんが、位置づけは変えたいところです。媒体は「知っている人が来る場所」であり、知らない人と出会う場所ではありません。認知を作る手段を別に持ったうえで、受け皿として使うのが噛み合います。
Q. 採用にかけられる予算がほとんどありません。
予算をかけずにできることを先に済ませたいところです。募集要項に勤務地と仕事内容を具体的に書く、応募から面接までの日数を短くする、辞退理由を記録する。この3つはどれも費用がかかりません。
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この記事のまとめ
全部を一度にやる必要はない。この記事のなかで、自社がまだ手をつけていないものを一つだけ選んで、次の採用シーズンの頭に置いてみてほしい。
この記事は、株式会社エージェントベストが新卒採用の支援で得た知見をもとに構成した実務向けの解説です。特定の企業の事例や、年によって変動する統計値は扱っていません。制度・市況・各サービスの仕様は変わりますので、実際の判断にあたっては一次情報をご確認ください。
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