千葉県の企業が内定辞退を減らすには|辞退は選考中に決まっている
学生が知りたいのは会社の実績ではなく、自分がそこで何をするかである。この一点に答えていない情報は、どれだけ量があっても判断材料にならない。
辞退は内定を出した後に起きるのではない
内定辞退の連絡が来た時点で、学生の気持ちはとうに離れている。志望度が下がったのは選考の途中であって、辞退はその結果が表に出ただけである。だから内定後のフォローを厚くしても、あまり効かない。
勝負がついているのは序盤である。初回の接触から一次面接までに興味を引けなかった相手は、最終面接まで来ても他社を選ぶ。
段階ごとに落ちる理由を分ける
歩留まりを見るときは、応募・説明会・一次・二次・最終・内定・承諾の各段階で何人残ったかを分けて数えたい。全体の辞退率だけでは、どこを直せばよいか分からない。
序盤で落ちるなら情報提供の問題、中盤なら仕事内容の伝わり方、終盤なら条件と意思決定の問題であることが多い。原因の層が違うので、打ち手も変わる。
なお、ここで挙げた順番が唯一の正解ではない。すでに手をつけている部分があるなら、そこは飛ばして次に進んでいただきたい。
選考のスピードは志望度に直結する
面接から結果連絡までの日数を決めて、それを学生に先に伝えておく。約束通りに連絡が来るという体験そのものが、この会社は信用できるという判断材料になる。
速さを実現するには、面接官の予定を先に押さえておくしかない。応募が来てから調整を始めると、必ず後ろにずれる。
志望度を上げる接点を選考に組み込む
評価する面接と、口説く面談は分けたほうがよい。同じ場で両方をやろうとすると、学生は評価されている緊張のなかで会社の話を聞くことになり、頭に入らない。
千葉県の企業であれば、配属予定の部署の先輩社員と話す時間を選考とは別に設けるのが効く。仕事の実感が伝わるうえ、入社後の想像がつくようになる。
辞退の理由を記録する
辞退されたときに理由を聞いていない会社は多い。聞きにくい気持ちは分かるが、聞かなければ翌年も同じところで落とすことになる。
聞き方は難しくない。「今後の参考にしたいので、差し支えなければ決め手を教えてほしい」で足りる。返ってきた内容を記録に残し、翌年の設計に反映させる。この積み重ねだけで歩留まりは変わる。
千葉県の採用を考えるときの基礎データ
千葉県の主な産業は石油化学、鉄鋼、物流、観光である。企業の集積は千葉市と船橋に偏りやすく、柏・市川に拠点を置く会社ほど、通勤と住まいの条件を先に示さないと比較の土俵に乗りにくい。
県内の主な高等教育機関としては千葉大学、千葉工業大学が挙げられる。学校経由の接点はここが起点になるが、それだけでは県外に進学した千葉出身の学生には届かない。両者は別の対象として設計したい。
関東という括りで見ると、千葉の企業が比較される相手は三つに分かれる。関東の同業、千葉市に拠点を持つ企業、そして学生が進学先で接している都市部の企業である。どれと比べられているかで、出すべき条件が変わる。
よくある誤解
「学生は都会に出たがる」と決めつけるのも危うい。千葉県での勤務を希望している学生は実際に存在するが、その層は地元の説明会にも求人媒体にも接していないことが多い。見つけられないことと、いないことは別である。
「まず採用サイトを作る」という順番も、実は後回しでよいことが多い。採用サイトは興味を持った学生が確認しに来る場所であって、認知を作る場所ではない。先に必要なのは、千葉県の学生や千葉出身者と接点を持つ手段のほうである。
「合同説明会に出れば知ってもらえる」という期待も、実際には裏切られやすい。ブースに座って待つ形では、知名度のある企業に人が流れる。出展するなら、事前の告知と事後の個別連絡まで含めて設計しないと投資が回収できない。
自社に当てはめて考える
最後に、自社の状態を点検する項目を挙げておく。全部を同時に埋める必要はなく、影響が大きそうなものを一つ選べば十分である。
- 千葉県のどの生活圏の学生を対象にするかが決まっているかどうか
- 募集要項に勤務地が市区町村まで書かれているかどうか
- 接点の経路ごとに昨年の実績人数を出せるかどうか
- 応募から一次面接までの日数が決まっているかどうか
一つ選んだら、次の採用シーズンが始まる前に片づけておきたい。始まってからでは、日々の対応に追われて手をつけられなくなる。
よくある質問
Q. 学生から見た自社の魅力が分かりません。
社内で当たり前になっていることほど、外から見ると特徴になります。石油化学や鉄鋼に関わる仕事であれば、自社の製品やサービスが最終的に誰の手に届いているかを説明できるだけでも、学生の見方は変わります。社員に「この仕事で面白いと思った瞬間」を聞くところから始めるのが早道です。
Q. 地元の学生に絞ったほうがいいですか。
絞るかどうかではなく、両方を別の対象として扱うのが現実的です。千葉県在住の学生には学校経由や地域のイベントが効き、県外に出た出身者にはこちらから個別に声をかける手段が要ります。同じ手法で両方を追うと、どちらも取りこぼします。
Q. 採用にかけられる予算がほとんどありません。
予算をかけずにできることを先に済ませたいところです。募集要項に勤務地と仕事内容を具体的に書く、応募から面接までの日数を短くする、辞退理由を記録する。この3つはどれも費用がかかりません。
あわせて読みたい
- 埼玉県の新卒採用|都内に通える立地が強みにも弱みにもなる。
- 東京都の新卒採用|母集団は最も作りやすいが、その分だけ知名度と条件の比較にさらされる。
- 神奈川県の新卒採用|研究開発拠点が多く理系人材の層が厚い一方、東京の企業とそのまま比較される。
- オンライン面接・Web説明会|オンラインは移動時間の制約を外すため、地方企業にとっては県外学生に会える手段になる。
- スカウト文面|文面は長さではなく、なぜあなたなのかが最初の3行に書いてあるかで読まれるかどうかが決まる。
- スカウト運用の内製と外注|内製か外注かは費用ではなく、継続できるかどうかで決めるべき。
この記事のまとめ
打ち手を変えたら、変える前の状態を記録しておく。比較できる相手がいなければ、良くなったのか悪くなったのかも判断できない。
この記事は、株式会社エージェントベストが新卒採用の支援で得た知見をもとに構成した実務向けの解説です。特定の企業の事例や、年によって変動する統計値は扱っていません。制度・市況・各サービスの仕様は変わりますので、実際の判断にあたっては一次情報をご確認ください。
株式会社エージェントベスト/有料職業紹介事業 許可番号 13-ユ-316964